公園本部から少し川沿いに下った沢筋でキナバルミカド（Graphium procles）、キナバルオナガタイマイ（G. stratiotes）狙いで海老トラップをしかけ、暫く様子を見ていると、真っ先に飛びついてきたのが、本種でした。どこの遠征先でもこの手のトラップを撒いた際、一番乗りでやってくる、とても「鼻の利く」タテハだと思います。広い分布を示すだけに表翅の斑紋変異が多様とされていますが、残念ながら吸汁時に翅をなかなか開かず、普通はその変異を楽しむこともできません。ただ撮影した個体は後翅に破損があって、そのお陰で後翅表の鮮烈な橙色を拝むことができました。北タイ産はこちら、南ベトナム産はこちらをご覧ください。

分布：ネパールヒマラヤ、ミャンマーからインドシナを経てスンダランド。東は中国南部から海南島