毎年、２月のカレンダーをめくって、３月に切り替えると、「そろそろだなあ」とカメラの埃を取ったり、イソイソし始めるのです。そうです。蝶屋にとって、待ちに待ったシーズン開始です。今年はギフ撮影にどこに行こうか？カレンダーを見ながら、「今年の土日配列は良さそうだなあ」とか独り言をしゃべりながら、新しいシーズンが幕を開けます。

４月の初めを中心とする極わずかなピークが撮影のチャンス。これまでギフは数シーズンばかり、連続してチャレンジしていますが、納得いく写真は撮れません。完品個体に出会った時はどういう訳か、ピントをはずしまくり、ジャスピンで撮れたと喜べばスレ個体……。何でこうなるの？と悩みはつきません。どうしても、この蝶が被写体の場合は、写真に対する要求水準が上がってしまいます。

　さて、春先、枯葉に舞い降りた女神は保護色をまとい、目だたないものです。体が温まると休止時は必ず開翅ポーズとなりますので、アップしたような閉翅での休息は活動を開始する極短時間以外に撮影チャンスはありません。交尾嚢をつけた少しスレ品ですが、毛深い体が印象的です。