観察した当日は、曇天で時折、にわか雨が降り出す不安定な天候でした。そんな天気でもおかまいなく、元気に飛んでいます。飛翔高さは低く、背丈の低い草原を縫うように飛んでいきます。羽化直後の個体は、数メートル飛んでは、翅を広げて日光浴をし、また飛ぶ行動をしていました。飛翔スピードの緩い本種の飛翔撮影は比較的楽な部類ですが、飛翔高度が低いため、「草の間を縫うように飛ぶ」情景を表現するのに一苦労します。
　ここで紹介する二枚の写真もカメラボディーを管理人の膝の高さに低く構え、被写体の蝶を見上げるような角度になるように工夫しています。�@は、翅をこれから打ち下ろそうとする瞬間で、バランスを取るため、尾を上方に上げていることがよくわかります。
　�Aは逆に、翅を最も高く上げたシーン。この時は、尾をやや下げてバランスを取るようです。まるで三角紙内の標本のような姿勢で不思議な浮遊感があります。同時に写し込んだ空の雨雲の様子がお分かりになりますでしょうか？