デコラジャノメタテハ♀開翅 （Amnosia decora） ：別名　ジャノメスミナガシ
撮影日（Date）	30/Apr./’02
撮影地(Locality)	Danum Valley(Alt.700m), Sabah, Malaysia
撮影データ(Photo data)	MZ5, 絞り優先モード、リングストロボ同調
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この蝶の展翅品が図鑑で図示されていると想像してみてください。ゲストの方の気を引きますでしょうか？恐らく１０人中９名の方は、人気アイドルとして投票はしないでしょう。せいぜい目立つのは前翅をよぎる白い（♀は薄黄色）帯紋だけです。ところが、実物に遭遇すると、なかなかに面白い蝶でした。 　シマジャノメが飛ぶ暗いトレイルを歩いていると、突然パタパタと飛んだ蝶がいて、追いかけると、木の葉の裏に隠れました。その技が見事で、隠れた場所が特定できません。「このあたりかな？」と接近すると、あまり遠くには逃げずに、すぐにまた葉裏に隠れました。なんと、翅を展翅したように広げ、２本の触角をピンと束ねています。後で調べると、英俗名は「Ninja」！　将に葉隠れの術を扱う強者です。こうした習性から類推できるように、スミナガシの仲間です。斑紋パターンからはスミナガシグループなどとは絶対に想像できません。生態観察をして初めて価値の生まれる蝶だと思います。この見事な葉隠れの術で、本種はポイントを稼ぎ、管理人お気に入りの蝶となりました。 　撮影がまた大変でした。蝶の翅面は地面に平行ですから、リンボーダンスのようにアクロバチックな体勢でストロボを焚き、何とかシャープな写真をものにすることができたのでした