東南アジアの蝶を語る上で、イナズマチョウをはずすことはできません。おそらく、本倶楽部会員の方の何名かは、「お気に入りのアイドルだと？イナズマにきまっとるやないか！」と断言されることでしょう。和名の由来通り、超敏速な飛翔、そしてその飛行を支える頑丈で太い胴体、ジェット戦闘機を思わす♂の鋭角的な翅形等、マニアを魅了する要素を確実に備えた仲間です。面白いのはそれだけではありません。普通、タテハの仲間は♂より♀の方が珍しいのですが、イナズマは逆で、♂が大珍品の事例が多いのです。その♂を求めて、またマニアが血眼になる・・・・。

　びっくりしたのは、♀ののんびりとした飛行スピードです。「イナズマ」とは名ばかりでネットを持っていれば、簡単にゲットできる代物です。但し、撮影となると、これが難しい。敏感なので、満足に撮れたのはアップした写真だけでした。薄茶色の絣素地のような独特の美しさがあると思いませんか？また、上記法則？に従って、♂は１頭も見ることができませんでした。なお、本種は局地的な分布を示すとされており、スンダランドの、どこでも見られる種類ではないようです。