Lohora属はスラウェシ固有のジャノメで、いずれもよく似た数種類が記録されています。「マルバ」と形容詞がついているだけあって、確かに兄弟格のMycalesis属に比較して全体に丸みを帯びたデザインです。コジャノメの仲間は、どれもよく似ていて同定が難しいものが多いのですが、本属は一目で識別できる独特の裏面デザインを持っています。前翅と後翅に夫々でかい眼状紋が２個づつ。私は、覆面をしたギョロ眼の「悪戯小僧」が二人並んでいるように見えました。ゲストの皆さんは何に見立てますか？この独特な斑紋が印象的で、私のスラウェシ遠征でも印象的なアイドルとしての地位を獲得しました。普通、コジャノメの仲間では６個も７個も眼状紋があって、とても「蛇の目」には見えません。この蝶はその意味で、「真性蛇の目蝶」とも言うべき存在です。一方、表面は写真でもちょっぴりわかりますが、橙色です。　かなり暗い環境に棲んでおり、時々林縁にも顔を覗かせます。