クロシジミを始め、蟻とシジミチョウの共棲関係はゲストの皆さんの良く知るところです。ところが、この関係がセセリでも成り立つとは・・。図鑑で生活史を確認するまで知りませんでした。五十嵐邁・福田晴夫両氏の労作、「アジア産蝶類生活史図鑑�T」には、蟻に囲まれた幼虫の鮮明な写真が紹介されています。ただし、幼虫が蟻によって、土中に運ばれるパターンではなくて、食草であるヤシの葉を巻いた本種幼虫の巣の中に蟻達が同居しているだけです。蟻との共棲関係でお互いどのようなメリットを享受するかは、興味があるところです。ヤシはスラウェシで無数に植えられていますが、どこでも見られる蝶ではないようです。
　撮影ポイントは、デキサメヌスマルバコジャノメを撮影したのと同じ暗い林道内です。日本でも見られるクロセセリによく似た斑紋パターンですが、よく見ると、白紋は前翅ではなく、後翅にあります。