キマダラセセリは日本でもお馴染みの蝶です。我が国では、普通種とは言え、多産するセセリではなく、生息地を選ぶ意外と気難しい蝶かもしれません。しかし、東南アジアに遠征していみると、いたるところにこの仲間（Potanthus属）をみかけます。ただ、同定となると極めて難しい作業になります。このサイトでも何回となくコメントしていますが、セセリの仲間、特にPotanthus属は生態写真からの種類同定が困難なものが多いのです。幸いにもシンガポールで観察記録のある同属は本種以外に数少ないので消去法で同定ができました。

　撮影ポイントはトラフマダラ（Parantica agleoides）が舞っている草地で、写真�@のようなテリ張りシーンは日本のキマダラセセリと瓜二つ。運良く交尾写真も撮影できました（写真�A）。しかし、個体の大きさは感覚的に言うと、日本のキマダラセセリの1/2程度。とにかく小さく、飛翔中はアブかハエにしか見えません。分布はマレー半島を含む熱帯アジア全域に広がっています。