東南アジアを代表するキシタアゲハグループ（Troides属）については、これまでの海外遠征で何回か遭遇していますが、吸蜜シーンの撮影に成功したのは、ボルネオでのヘレナキシタアゲハ(T.helena)の♀のみ。これは銀塩での撮影でしたから、早くデジタルでも撮影したい欲求が募りました。

今回も２日目の午前中、本種♂が吸水ポイントに来ているのを発見しましたが、あせったため、相手を驚かせ、飛び立たれてしまいました。暫く様子を見ていましたが、相当に警戒心が強く、吸水には戻らず、何処へと消え去ってしまったのでした。滞在中も数回♂の雄大な飛翔を見るにつけ、悔しい思いをしておりました。そして、ようやく3日目、四輪駆動車をチャーターして隣村に遠征した際、小学校校庭のハイビスカスに吸蜜している場面に遭遇し、慌ててシャッターを切ったのがアップした写真です。

露出設定を飛翔写真用にセットしたままだったので、アンダー気味になってしまったのは残念ですが、ピントはまずまず。デジタル初撮影の記念すべき写真となりました。ヘレナキシタとキシタ♀の区別も結構厄介ですが、後翅黄色班の微妙な出現パターンを判読して、「キシタ」と判定しました。

　急に出現すると焦ってしまう、キシタですが、何とか写せた飛翔写真（�A）をアップします（ピンボケ画像をレタッチで凌いでいます）。このアングルからだと、ヘレナキシタもしくは、キシタか？確実な同定は不可能なので、ここでは仮に「キシタ」としておきます。なお、♂の飛翔にもトライしましたが、これは焦りまくって完全なピンボケで失敗しました。いつか♂をきちんと撮りたいものです。