スンガイブロー湿地公園での撮影が終了し、公園駐車場に戻ると路面をチョロチョロ黒っぽいシジミが飛んでいました。飛び方は少し跳ねるような感じで、小さめのムラサキシジミを思わせます。時折、翅表の深いブルーが光ります。路面に降りて吸水しているようですが、結構敏感ですぐに飛び立ちます。追いかけごっこを暫くした後、運良く管理人が左手にはめていた腕時計のリストバンドに止まりました。汗をたっぷり吸った布製のバンドはこの蝶にとって、格好の「スポーツドリンク」になったのでしょう。このような状況では、手軽に取り出せるコンパクトデジカメが便利です。左手の甲にカメラボディを固定させ、レンズ前面2cm程度まで、接近させて超ドアップでの撮影ができました。カメラと被写体は同じ左手上に固定されていますから原理上、手ぶれも無く、鮮明なカットをものにできたわけです。

和名の通り、尾が無いけれど、よくよく見ると後翅肛角部付近の縁毛が翅脈に沿って少し伸び、数本の短い尾状突起があるようにも思えます。暫く待って、開翅ポーズを期待したのですが、スギタニルリシジミに似た濃いブルーを拝むことはできませんでした。いつか開翅シーンをものにしたいものです。分布はインド東部からマレー半島を経てボルネオ、スマトラ、ジャワ島に広がっています。