現地に到着して３日目。四輪駆動車をチャーターして隣村の峠道を探索しておりました。あまり成果を挙げられずにガイド達と昼飯を食べていた時のことです。昼食時にも周囲に目を光らしていると、敏速なタテハが足元の小川の畔に降りていくのが目に入りました。もう飯どころの騒ぎではありません。慌てて超望遠ズームを担いで、焦点を定めました。草むらの陰にレンズを向け探索すると、翅を上下させている暗褐色のタテハがいました。後翅肛角部から外縁部にかけて淡いブルーの縁取り、「フェミウスだ！」と思わず叫びました。立て続けにシャッターを押したのですが、相手は吸水しながら草叢の中を歩き回るので、結局全身が写っていたのはアップしたこのコマのみでした。トレードマークである後翅外縁部の淡いブルーがちょっぴり欠損しているのが残念ですが、貴重な♂のファーストショットになりました。なお♀はブルーの代わりに前翅端に白帯を飾った全く異なるデザインです（香港産♀の写真はこちら）。本種はシッキムからインドシナを経てボルネオ、北は香港までの分布です。

D70S-VR84@400mm、ISO=640、WB晴天、F5.6-1/2000、-0.3EV